体重移動はしてはいけない

両足でバランスよく構えて、テークバックで右に体重を移し、インパクトの時には左足に体重を乗せて打つ。これが常識ですよね?でも、初期のオジー・モアのスイング理論では、体重移動してはいけないんです。

体重移動しなければボールが飛ばないだろう?…と思うかもしれませんが、オジー・モアが打つのを見てみると、彼の打つボールはことごとくまっすぐ飛びます。狙った方向に吸い寄せられるように一直線に、しかもよく飛ぶのです。そんな彼のスイングを見たら、確かに体重移動しているようには見えない。ムダの無いスイングで、いともラクそうに振っているのです。
しかし、進化する彼の理論は、バージョンを重ねるに従って、体重移動がゼロでは無くなってきます。これは後述します。

ボールが曲がる原因は体重移動

オジー・モアのスイング理論では、体重移動こそが、ボールを曲げる要因になります。まっすぐ飛ばすためには、インパクトのときにフェースがターゲット方向を向いている必要があります。猛スピードで振り下ろされるクラブヘッドをコントロールし、フェースをまっすぐに保つのは、ただでさえ困難です。

これに体重移動が加わるとなると、体が大きく左右に揺れることになり、インパクトの瞬間をコントロールすることは至難の業となってきます。タイミングが少しでもズレると、ボールは大きく右か左に曲がってしまいます。ゴルフは長いクラブで小さいボールを打つのですから、当たる瞬間のフェースの角度を調節するというのは、針の穴に糸を通すような、非常に繊細な作業が要求されます。

もし自分が一生懸命、針に糸を通そうとしているときに、隣の人に椅子を揺らされたら、糸を通せるはずがありません。ゴルフで体重移動をするということは、わざわざ自分で体を揺らし、当てにくくしているのと同じこと。フェースがまっすぐにならず、ボールが曲がってしまうのは当然のことなのです。

では、どうすればいいのか?構える時に、最初からほんの少し、左足加重で構えてみてください。左足に55%ほど体重が乗るイメージです。インパクトの瞬間はどのみち左足加重になるのですから、最初からそうしておくのです。どうせなら最初から左足に体重を乗せて構えておいて、インパクト時の状態にしておけばいいのです。

その後着々と進化を続けるオジー・モアの理論は、左足加重60%以上で構えることと変化し、一番最新の理論ではより再現性の大変高いスイングを実現するため、左足加重が50〜55%(50%でも構わない)となっています。これについては後述。日本で言われているのとはまったく異なる構え方ですが、数十球も打てば、ぶれることが少なくなり、芯に当たってまっすぐ飛ぶ確率が格段に上がるのを実感できるでしょう。

腕は身体にくっつけて打つ

多くのスイング理論は腕を振って腰を回すスイングですが、このスイングは非常にミスが生まれやすいとのことです。というのも、腕と腰が動くタイミングを一致させなければいけないからです。もし、腕が先行してしまえばフックになり、腰が先に出てしまえばスライスになります。

別々の部分を別々に動かすのに、そのタイミングを完全に一致させるのは、かなりの練習を積んだプロでも難しいことです。調子が良い日にはまっすぐきれいに飛ぶけれど、日によって飛ぶ方向が違ったり、ラウンド中に大きく崩れることがあるのは、腕と腰の2つのタイミングを毎回一致させるのが難しいということに原因があります。

だったら、2つ別々に動かすのではなく、くっつけて1つにしてしまえという発想です。つまり、ダウンスイングのときに右腕を体に密着させて、腰で打ち抜くようにすればいいのです。体の部分で最も鈍感(どんかん)な腰を積極的に使う一方、最も敏感(びんかん)な腕を脇に付け、腕の動きを押さえることによって、いつも同じスイングが出来るようになるということです。

毎回正確にヒットし、まっすぐに飛ばす方法

ボールが曲がってしまうのは、身体のぶれ、タイミングのずれなどでスイング時にクラブヘッドが狙ったコースを通らないからです。クリーンヒットし、まっすぐ飛ばすためにはスイングのときにクラブが毎回決まったコースを通ることが必要です。

そのためには、左の股関節(こかんせつ)を『軸』にするのが良い方法です。軸というと、一般的には身体の中心である背骨を軸にすると良いと言われています。それに対して、オジー・モア理論では、左の股関節を軸にするのです。(左の股関節を縦に通る線をイメージし、それを軸にする)

そこで、このオジー・モアのボディスイング理論が「左一軸©打法」(左股関節一軸打法は長すぎるので)と名付けられました。この理論は、その後さらに改良が加えられ、上体は中心軸を垂直状態で回転(肩はタテに)、下半身は左股関節の垂直線を軸として回転(腰はレベルに)、この下半身と上体の回転差を使って捻転(軸回転)するフォームに変わっていき、安定性と再現性を増しています。ですので、左足加重が50〜55%(50%でも構わない)ということになりました。

左の股関節を通る線を軸にするということ

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これはいったいどういうことか?図を描いて説明しましょう。

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体の中心で回りますから、急カーブを描くわけです。

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これだと、円と線がぶつかる、たった1点で当たったときだけ、まっすぐに飛ぶことになります。しかも、体重移動までしているわけですから、この1点に合わせるのは大変難しいのです。少しでもズレると左右にボールが飛びだしてしまいます。

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細かい説明は省きますが、先ほどよりゆるやかなカーブを描きます。

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このように、左股関節中心のスイングをすると、体の中心で回転をするときよりもインパクトゾーンが長くなり、高い確率でクリーンヒットできるようになるのです。しかも、インパクトゾーンが長くなると、それだけスイングのパワーがボールに伝わり、飛距離が大きく伸びるのです。今まで言われていた、背骨を中心とした軸だと、狭い1点で打たなければいけませんでした。

ところが、左股関節を軸にすることによってストライクゾーンが広がり、ミスの確率が圧倒的に少なくなり、飛距離も伸びるのです。ゴルフは10回打って1回でも大きく失敗をすると、その後のすべてが狂ってしまうことがあります。

1つのホールでティーショットを失敗し、そのあとガタガタに崩れてしまった、という経験をしたことはないでしょうか。ゴルフは、毎回確実に、良いショットが打てなければ良いスコアに結びつかないのです。そのためには、何度でも同じショットを再現できる必要があります。

左一軸©打法の特長と進化

左一軸の特徴をまとめてみると以下のようになります。
●パッティングからDRショットまで体系化された理論
●下半身主導のバランスを重視することで、再現性の大変高いスイング
●テークバックを2段階にすることで、フェース面が前傾角度と平行に動く
●脇を締め、両肘の間隔を一定にし、腕や手首を返す動きはない
●左腕は胸に密着させ、右腕は肘と手首のコックを使って伸ばす(腕を振らない)

日々進化を続ける理論に数年前から取り入れられているのが、新しいグリップです。左手は指先、第二関節あたりを揃えるように握ります。(手の小さい人は指先の第一関節寄りで)これにより左手首が強くなり返りにくくなります。右手は手のひらで握ります。これは甲側にきれいなコック出来るようになり、指先で握った場合と比べてと複雑なコックになりやすくなるのを防ぎます。

さらに進化として、二段階のテークバックがよりコンパクトとなり、右肘が脇からほとんど離れないトップになりました。ダウンでは左尻を真後ろに引くことで、スクェアフェースでヘッドを走らせ、フェース面が返ることなく一段と低く掃くように動くので、ボールの回転数を少なくしています。これにより、空気や風の抵抗に強くなり、飛距離も一段とアップします。フォローでも右手よりヘッドがやや外側にあるように右腕を伸ばせるので、ヘッドが返らないという利点があります。

 

そこで、進化を続ける左一軸打法を
バージョンごとに簡単に見てみました。

 

左から、Ver.1から5になります。

 

V1〜V3は捻転で飛ばす軸回転です。

体軸垂直で構え、その位置でトップからインパクト。左股関節を軸に回転してフィニッシュ。その間出来るだけ体軸垂直を維持することで、再現性を高めています。
最初に左一軸©打法として紹介したV1では、体軸垂直で、かなり左に重心を置き、その位置で捻り捻り戻していますが、下半身の動きを極力抑えています。
この方向性第一から、より飛距離を求めたのがV2で、左に重心を置き、両膝を積極的に使って、左股関節を軸に回転しています。

更に進化したのがV3です。

左重心から、両足の真ん中に重心を置き、両尻を積極的に使い、その位置でインパクトし、左への押し込みを強めてフィニッシュと、よりパワーアップ。
これらの軸回転では2段階のテークバックで捻転を生み出すことが重要でした。

大きく進化したのがV4、V5です。

両足の真ん中に重心を置くのは軸回転と変わりません。
捻転の利いたトップの体勢から、肩、腰の角度を変えないで、体軸垂直で左に重心移動し、右肘を脇に付けたハーフウェイダウン(3時)に来ます。そこから左土踏まず(左足をめくらない)を軸に右サイドが回転していきます。
V4では、テークバック2段階、トップから3時、3時から左足上で回転と4つの動きを意識します。

最新のV5では、一段とシンプル化されました。
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